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やおい学者セージちゃん(5)

※今回はリヒタルゼンの通行証クエスト(別名・友情クエスト。BLっぽいやつ)のネタバレを含みます。
未プレイの方はネタバレになりますのでご注意下さい。



 俺はリヒタルゼンの街をミントと二人で歩いていた。
 というのも、アサシンギルドのカイから妙な任務を命じられたからだ。
 いわく『ミントを誘ってリヒタルゼンの通行証クエストをやれ』、と……。

 任務というか、普通にデートだな。
 なもんで、今回は俺から誘ってみた。

 一緒にどっか行こうぜ、と誘ったときは乗り気だったミントだけど、内容がクエストと聞いてちょっと言葉を濁した。
「クエスト? うーん、面倒だからあんまりやったことないなぁ」

 そうだよなぁ。
 俺もクエストとか面倒で、あんまりやらないタイプだ。

 俺はここで、ミントが渋ったらこう答えろとカイに言われたセリフを口にした。

「じゃ、やめるか。俺は一緒に行きたいけど」

 ミントが慌てた調子で答える。

「えっ……行く、行くよっ。ウサタンとクエストするよ!」

 あれ? あっさりOKもらっちまった。
 カイマジックだぜ。

「じゃあ、ちょっと遠いけどリヒタルゼン行くか」
 リヒタルゼンという言葉にミントが即座に反応した。

「ねぇ、それってもしかして通行証クエスト?」
「ああ、それそれ。有名なのか?」
 突然、ミントの口調が熱気を帯びてきた。
「うん! 友達の間ですっごく萌えるって噂で! 実はそれだけやりたいなーって気になってたの! 私が原稿で忙しかったときにみんなやっちゃって、一人だけ乗り遅れちゃったんだよね」

 ……燃え? 一体、何が燃えるんだ?
 まぁ、もともと興味があったんなら良かった。

 ただ、俺のチョイスじゃなくてカイの命令ってのがなぁ。

 俺はちょっとはしゃぎ気味なミントを微笑ましく見つつも、その点がちょっと心に引っかかった。


 で、当日。
 ジュノーからリヒタルゼンに向かう飛行船の中で、俺たちは窓にへばりついていた。
 俺もミントも、飛行船に乗るのは初めてだ。

 うう、船が空を飛ぶなんて恐ろしい時代になったもんだ。恐るべし、シュバルツ共和国。
 しかもこの飛行船、あの空中都市ジュノーより高いところを飛んでるんだぜ。ジュノーの街が目の下にあんなに小さく……。

 ミントは子供のようにウキウキしている。
「ウサタン、あれ見て! ジュノーで私が通ってた学校!」
「どれだ?」
「あれだよ、モンスター研究所!」
「あのとがったやつか?」
「違うよー、丸い建物!」
「うーん、小さすぎてわかんねぇよ」

 とか言いつつも、俺も楽しくて仕方がない。
 ふと、コイツが俺の恋人だったら、もっと楽しいのかも知れないなーとか思ったり思わなかったり。
 飛行船でいい景色を眺め、都会的な空気に満ちたリヒタルゼンに降り立ったときは、かなりいい雰囲気になっていた。

 ベタベタしたカップルばかりの街で、何だか目のやり場に困るぜ。

 なんか会話しないとな。
 貧民街に向かう途中、俺はさりげなく聞いてみた。

「そういえばさ、お前って何型のセージなの?」

 今のセージの主流ってFCASなのかな?
 ミントはちょっと口ごもってる。

「えっと……バランス?」
 なんで自分でハテナを付けるんだ。

「スキルは何とってるんだ?」
「何って……その、ボルトとか支援スキルとか付与とか、まんべんなく」

 まんべんなく?

 ミントは歯切れ悪く答えた。
 ちょっと暗ーい顔をしている。
 あれ、悪いこと聞いちまったかな。

「そっか。まぁ、色々できていいんじゃね?」

 セージのスキルってアサシンに比べると多すぎてよく分かんねぇしな。

 ミントはぱっと顔を輝かせた。
「うん、色々できるよ!」

 おお、何とかフォローが成功したようだ。


 会話してるうちに貧民街に着いて、俺たちは通行証クエストを始めた。
 内容は、幼なじみで仲が良かった奴らが大人になって貧富の差で引き裂かれて……ってやつだ。普通は男と女でやるストーリーだと思うんだけど、なぜか男三人なんだよなぁ。それも、美青年・インテリ・不良、と無駄にキャラも立ってやがる。

 ミントは道中で「マクハァハァ」とか言ってた。
 マクってのは、貧民街にいる口の悪い不良っぽいやつ。
 俺も、3人の中では一番こいつと気が合いそうだ。

 クエストでは、3人を仲直りさせてめでたしめでたし……のはずだった。
 なのに、途中で金持ちの美青年のヤツが刺されちまった!
 血まみれで冷たくなった男NPCを前に、ミントは大泣きしちまった。
 俺もさすがにショックだった。

「ダイガツさん! マクとラブラブになるはずだったのにぃー!」
 ミントが叫ぶ。

「全くだよ。これから仲直りして、前みたいに3人で仲良く遊べるところだったのに……」
 あれ? なんかミント、変なこと言ってなかったか?
 ……シリアスな場面だし、突っ込まないでおこう。

 ミントは男から凶器のナイフを抜くと、最後の別れを告げた。
「おやすみなさい、ダイガツさん……」

 って、お前、凶器のナイフを抜くなー!
 犯人だと疑われるだろうが!

 俺はミントを連れてそそくさとその場を抜け出した。
 まったく、とんでもないクエストだぜ!


 最後はジュノーのインテリ男からリヒタルゼン通行証をもらって、無事にクエストを終了した。


 その後、ジュノー生まれのミントが街を案内してくれるっていうから観光もしてきた。
 魔法アカデミーに図書館にモンスター研究所……街はやたら広いし施設も整ってるんだけど、なんか、ココって何にもないとこなんだよな。

 こりゃ、ここで生まれたミントが空想……もとい妄想の世界に娯楽を見いだすのも仕方ないなーと思っちまった。

 あと、困ったことに色々とクエストが増えてるみたいで、ジュノーの住民に話しかけるたびに何かのフラグが立っちまった。せっかくだから、またミントを誘ってやるかな。
 と思っていたら、カイからwisが来た。

(From カイ):『おい』
(To カイ):『な、何だ!?』
(From カイ):『さっさと次のデートの約束をしろ』

 いつもながら、どこから俺たちを観察してるんだよ!

(To カイ):『何でデートのお誘いまで命令されてやんなきゃいけないんだよ』
(From カイ):『何度も言っているが、その女セージは男アサシン萌え本で有名な腐女子だ。アサシンギルドの貴賓として丁重に扱ってもらわねばならん』
(To カイ):『それはもう知ってるって。貴賓とか関係なく、俺はコイツと遊びたいんだよ』

 なんか面倒くさいなぁ。

 俺がカイとやり合ってるとはつゆ知らず、ミントは笑顔で言った。
「今日は楽しかった! ウサタンがわざわざこのクエスト選んで、誘ってくれたのが凄く嬉しかった。本当、ありがとねっ」

 俺はちょっと胸がチクリとした。
 あれ?
 楽しかったはずなのに、なんで俺、こんなんなってんだろ。

 そうか、もとは任務だったからか。
 ……これって、俺、ミントを騙してるんじゃねーか?

(From カイ):『よし、うまくいったようだな』
(To カイ):『なぁ……ミントは俺がセッティングしたデートだと思って喜んでるんだけど、なんか、違くねーか?』
(From カイ):『彼女が喜んでいるんだからいいだろう?』
(To カイ):『いや、でもさ……』

 俺はミントを騙してる気になってきた。こんなに喜ばれたらさ……。

「ミント……あのな」

 俺が言いかけると、カイが口を挟んだ。

(From カイ):『おい、余計なことは言うな。デートコースのセッティングなど、お前にそういう甲斐性ができてからやればいいだけの話だ』

 ああ、もううるさいなぁ。
 俺はこれだけは謝っておきたいんだよ。

「ごめん、通行証クエストは俺が選んだんじゃないんだ」

「え?」
 ミントが首をかしげる。

「実は、カイに言われてお前を誘ったんだ。ええと、カイって分かるか? アサシンギルドの転職NPC」
「うん。目隠ししたカッコイイ人だよね」
 ミントは即答する。
 カッコイイという言葉にちょっとムッとしたが、そんな場合じゃない。

「ああ、そいつ。今日のクエストは、カイのオススメでさ。俺のセレクトじゃねーんだ。本当、ごめん」

 ミントは何か考え込んでいる様子だったが、ぽつりと疑問を口にした。
「ねぇ……なんで、ウサタンがカイさんの言うとおりにするの?」

 うっ。


 俺は、普通にミントと遊びたいだけだ。
 でもカイは違う。

 ミントが俺を気に入ってるのを知ってて、俺を使ってアサシンハァハァしてもらおうと企んでる。
 そして、アサシン萌え本をどんどん出してもらって、アサシンの人気を底上げしようと……。

(正直、俺はそこまでの威力が『萌え』ってやつにあるとは思えないんだが。)

 ともあれ、俺がカイの言うとおりに動いて、ミントを利用……するつもりはないけど、結果的にそうなってる。

 あれ? 今さらだけど、俺ってカイに利用されてる?
 でもって、ミントの気持ちを利用してる?

 俺、何で今まで気づかなかったんだ?

 ミントを見ると、まだ考え込んでいる様子だった。
 こいつも、もしかして、俺と同じことに気づいただろうか?
 ふたりの間に、気まずい静寂が満ちる。

「ミント、俺さ……」
 沈黙に耐えられなくなって、俺は素直に謝ろうと口を開いた。

 でも、ミントが先に意外な言葉を口にした。

「これは……カイ×ウサタン!?」


 ……は、はぁ!?

 ミントの目は輝いている。

「どうしよう! 今日はNPC萌えの神がいっぱい降りてきた!」
 ミントは頬を紅潮させている。
「さっそく帰って冬コミの原稿にしないと!」
 今にも家に帰りそうな雰囲気満々になってきた。

「え……お、おい」
 俺は慌てて引き留めようとしたが、ミントはもうジュノーの住宅街へと向かい始めていた。

「ウサタン、今日は本当に! 本っ当に! ありがとねー! ちょっとこれから会えなくなるけど、良かったらまた誘ってね!」

 ちょっとだけ後ろを向いて、俺に手を振りながら、足早に去っていく。

「あ……」

 俺はミントに何か言おうと片手を前に上げたまま、ぽつんと一人突っ立っていた。

(From カイ):『まったく、ハラハラさせる。次の任務はクリスマスだからな』
(To カイ):『う、うっせー! これからは俺が好きなときにデートコース選ぶんだからな! もう騙されねーぞ!』
(From カイ):『フ……。付き合ってもいないくせにデートだと。笑わせるな』

 カイの嘲笑に俺はショックを受けた。

 く、くそー、それもそうだったな。
 よし、決めた。次は……告白する!
 もうカイにあれこれ口出しさせない仲になってやるからな!


[> 待て、それはカイの罠だ

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